お知らせ

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サビエル高等学校

フランス留学中の櫻井瑠太郎君からのメッセージです

フランスに留学してから約半年が経ちました。これまで、本当にあっという間でした。僕は、ブルターニュ地方のヴァンヌというところにいます。地元の高校に通っています。小さい町ですが、街並みがきれいでいい所です。治安もいいです。

1年間の留学で3軒ホストファミリーが変わることになっています。今は2軒目のホストファミリーにお世話になっています。家によって、郊外の田舎であったり、街の中であったりと環境も違い、それぞれのよさがあり、楽しんで暮らしています。フランス人全体にも言えることだと思いますが、小さいことは気にしないのでいいです。大らかです。

学校はとても楽しいです。クラスの人数が20人ほどの普通のクラスに入っています。すごく陽気なクラスです。科目は、政治、経済、英語、歴史、地理、数学、体育、フランス語、生物、物理です。数学と英語は理解できます。英語のテストを受けているのですが、日本よりも文章を書かせる問題が多いので慣れてないうちは少し大変です。普段の高校の授業はなかなか難しいです。やはりフランス語で高校の学習内容を理解するのは簡単ではありません。でも、友達もたくさんできて、毎日本当に楽しいです。高校で人を待っていたりしている時に、知らない生徒に声をかけられて何となく友達になっちゃうことが何回かありました。日本と比べ、みんな大人っぽいですが、いろいろ話してみると面白い人ばかりです。

第1ホストファミリーは、ヴァンヌ郊外に家があったので、往きはホストマザーの車で行き、帰りはバスで帰っていました。知り合いになった生徒とバスが一緒で、楽しい帰り道でした。その友達は日本にすごく興味があり、お互いに日本語とフランス語を教えあっていました。

サッカーは週に二回素晴らしい環境でしています。みんな体格がよいので、迫力があります。楽しんでプレーしています。スポーツを通して仲良くなれるのは、いいなって思います。

フランス語は、半年もたつと最初は全然聞こえなかった言葉もだいぶ分かるようになりました。授業も、だんだん先生の言っていることがわかるようになるとやっぱり面白いです。フランス語の語学力は、確実に進歩はしていると思います。クラスメートも良くなってきていると言ってくれますが、まだまだです。もっとがんばろうと思っています。第2ホストファミリーは、ファミリーが変わるころには完璧になると言ってくれました。フランス語は(日本語でもそうだと思いますが)、1つのことを表現するのにいろいろな言い方があります。そこが面白いのですが、覚えるのが大変です。フランス語の発音は、好きです。しっかりがんばりたいです。

フランスに行ってしばらくは、火曜日と水曜日の放課後にフランス語の授業を1時間半受けることができました。ヴァンヌのプロラグビーチームの外国人にレッスンをしていて、そこに自分も入れてもらったのです。プロのラグビー選手だけあって、みなさん体格がよく、圧迫感がありますが、少人数でとても勉強になりました。毎回フリートークの時間があって、一人ずつ何かしら話しました。どこに行ったとか、自分たちの国のこと等を話します。みんな僕に優しく接してくれて、楽しい時間でした。

フランスはやっぱり食べ物がおいしいです。チーズにパン、ケーキなどは日本とは格が違います。ガレットも結構頻繁に食べます。ガレットとは、ブルターニュ地方で有名なそば粉のクレープのようなものです。とても美味しいです。

1月はガレット・デ・ロワ(円いパイみないたお菓子)をたくさん食べました。パン屋でアルバイトをしているホストシスターが、仕事の帰りに持って帰ってくれるので、本当によく食べました。これは、フランスでは新年のお祝いに欠かせない伝統菓子です。このパイの中に、フェーブという陶製の小さな人形が一個入れてあります。切り分けて食べるのですが、その人形が入っていたら幸運が訪れるということで、祝福されます。自分がガレットを食べるたびに当たり、5連続くらい当たりました。そのフェーブの収集マニアみたいな近所のマダムがいます。そのマダムの家に行くと100個以上のフェーブが棚に並んでいました。ホストマザーのお母さんも集めていて、孫に引き継がれていくそうです。

ブルターニュ地方は、生牡蠣で有名です。先日、ある会に参加した時に、たくさん食べました。用意されている生ガキの量が半端ないです。少なくなるとちゃんと補充されます。多くの人が、カキの殻をむく用の小さいナイフみたいなものを持参して来ていて、驚きました。日本で生牡蠣用のマイナイフを持ち歩いている人なんていません…。海に突き出ているブルターニュ地方は、海産物が豊かで、貝やサーモンなどもよく食べます。

そういえば、スーパーや普段の食事で気付いたことがあります。BIOの食品をよく見かけることです。BIOとは、オーガニックのものを指します。日本と比べて商品が多いんです。フランスの人は、みんなそれだけ意識が高いんだろうなと感じます。日本では、オーガニックの商品は少し割高だったりするけど、こちらではすごく安いです。毎日、ちょっといいものを食べている気分です。

バカンスは、日本より多くて嬉しいです。週末やバカンスは、ホストファミリーとヴァンヌの市場に行ったり、浜辺に犬の散歩に行ったり、絵画展やイルミネーションを見に行ったりして過ごしています。近くの古い町に行ったり、ヴァンヌの期間限定で入れるイベントに行ったり、パーティーをしたりして、いい時間を過ごしています。フランスには昔の建物がそのまま残っているような小さな町がたくさんあっていいなあと思います。

ロシュフォール=アン=テールという「フランスの最も美しい村」に選ばれている村に行きました。とても小さい村でしたが、村全体が昔のまま変わってないような気がしました。石畳の道や家がきれいで感動しました。所々にかわいい家の模様とかあっていいなって思いました。小さい村でも、教会が結構立派なことに驚きました。フランスって、どんなに小さい町や村でも教会があって、意外と大きいです。日本のお寺と似ているところもあるかもと思います。

10月には、モンサンミシェルにも行きました。留学生たちと一緒に行きました。この2日間はあいにくの天気で雨や風がありましたが、楽しめました。1日目はモンサンミッシェルの周りの干潟を歩きました。裸足で歩きました。少し不思議な感覚で、面白かったです。夜は、パーティーでした。バッジ交換をしたり、各国の交換学生が自分たち国歌を披露したりしました。深夜はダンスをしました。ほんとにすごい熱気で初めての体験でした。

2日目は、モンサンミシェルの中に入りました。とても重厚なつくりで、城塞のようでした。大聖堂の中は、たくさんの礼拝堂や回廊、部屋がありました。どれも豪華で美しい模様で彩られていて、とても機械なしで人の手で作ったとは思えませんでした。この2日間で7人の留学生の日本人にも会いました。久しぶりに日本人に会って久しぶりに日本語をしゃべりました。みんなフランスにも慣れてきたみたいで、いろんな話ができてよかったです。

まだパリが落ち着いていた10月には、第1ホストファミリーにパリに連れて行ってもらいました。ホストファザーがパリで平日働いているので、毎年2回くらいはバカンスに家族で行くそうです。ホストファミリーは、みんなパリのことは何でも知っています。ホストファザーは仕事なので、観光はホストマザーと3人のホストブラザーズと自分の5人で回りました。パリはたくさん人がいました。メトロにいっぱい乗りました。一気に30枚くらい切符をまとめて買ったりするのですが、すぐなくなっちゃうので、何回も買いました。エッフェル塔や、凱旋門、ノートル・ダム・ド・パリ、サクレ・クール寺院、パリ市庁舎に行きました。これまで写真でしか見たことがなかった場所に実際に行くことができました。あっという間の5日間でした。他にもかわいい家が並んでいる住宅街や、きれいなモスクもとてもよかったです。なんとstate de france (サッカースタジアム)にも連れて行ってもらいました。フランス代表の試合は勿論、ライブなどにも使われるそうですが、とにかくすごい。ツアーでスタジアムの中を回りました。夢のようでした。いつか生の試合も見たいです。

ノルマンディーにも連れて行ってもらいました。お誕生日会にも参加しました。そこのおばあちゃんの家はとても大きく、きれいでした。むかしそこのおじいちゃんがド・ゴールから称号をもらったそうで、写真もみせてもらいました。ノルマンディー上陸作戦のミュージアムにも連れてってもらいました。たくさんの兵士の格好をした人形がいて、とてもリアルで怖くなりました。その出来事があったことは知っていましたが、詳しくは知らなかったのでいい機会となりました。町の中にも戦車や戦闘機のレプリカ等も置いてありました。やっぱり戦争は残酷です。今が平和でほんとによかったと思いました。

クリスマスの話をします。ホストファミリーの関係で、イブの日とクリスマスの日でそれぞれ違う家でパーティーをしました。どちらの家も料理はとても美味しくて、ブルターニュで有名なカキやエビなどの海鮮料理や、カモのコンフィ、フォアグラ、その他の料理もすべておいしかったです。ケーキもホストシスターがパン屋から持ってきてくれたのでたくさん食べました。チョコもとても美味しいのですが、家にはたくさんチョコがあって、クリスマスの後しばらくチョコ生活が続きました。あと、ホストマザーが自分の親戚にも僕のプレゼンを見せたいといったので、クリスマスになぜか謎のプレゼンをしました。このプレゼンは、ロータリークラブの交流会での自己紹介のために作成したプレゼンなので、全然クリスマスとは関係がなかったのですが…。まあ、みんなにほめてもらえてうれしかったです。それから、クリスマスの飾り付け用とみんなへのプレゼント用にということでホストマザーと折り紙でサンタや雪だるまトナカイ、クリスマスツリーを折りました。初めて折るものばっかりだったけど意外と彼女もうまくてビックリしました。折り紙にフランス語と英語と日本語でそれぞれ「メリークリスマス」と書き込みました。いいクリスマスでした。

ヴァンヌは小さい街なので、日本人はいないだろうと思って過ごしていましたが、驚いたことに、ヴァンヌには8人も日本人がいることが12月になって判明しました。フランス人と結婚されている女性の方には、手作りの日本食をごちそうになりました。他にも、中学校を卒業して、ラグビー留学でフランスに来て、ずっとフランスで暮らしている18歳の日本人の男の子にも会いました。若いのに、とてもしっかりしています。いろんな出会いがあって、楽しいです。

ぼくは、とても恵まれていると思います。あと半年。この留学を支えてくださる多くの方々への感謝を忘れず、より充実した楽しい留学になるよう、しっかりとがんばりたいです。